環境システム研究論文集
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食料需要モデルを利用した黄河流域の農業用水消費に関する研究
園田 益史大西 暁生白川 博章井村 秀文
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2006 年 34 巻 p. 525-535

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抄録
黄河流域では深刻な水不足に直面している. 用水の用途では農業用水が最も大きなシェアを占め, 食料需要の変化が水資源に与える影響は大きい. 流域内で生産される食料は, 輸送を通じて, 流域内外の需要を満たしている. 本研究では, 供給先の需要の変化に伴う食料供給量の増減を2000年のフードバランスに基づいて推計し, 流域内の用水量の変化を検討した. 食料需要の傾向の把握として, 需要体系モデルであるAlmost Ideal Demand System を用い, 穀物, 野菜, 油脂類, 肉類, 卵類, 水産物, 糖類の7品目の需要の所得弾性値と価格弾性値を計測した. また, 食料輸送を通した空間的な需給調整については, 省の食料余剰量と不足量に基づく輸送モデルにより求めている. 結果として, 所得増加を仮定した場合には, 流域内の小麦の需要増加と流域外の豚肉の需要増加による水消費への影響が大きいことが示された. 穀物の価格低下を仮定した場合には, 流域内外の小麦とトウモロコシの需要の影響が大きいことが分かった.
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© 社団法人 土木学会
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