持続可能な農村地域を形成するためには, 都市が農村から享受している多様なエコシステムサービスに着目し, 農村地域が持つ機能や価値を再評価し, 都市側での非持続的な生産と消費を見直すことが必要である. 本研究では, 長期的な農村再生計画における有効な手段としてシナリオアプローチを採用し, 都市と農村の関係性をシナリオとして取り入れた農村再生施策検討プロセスの提案とその試行を行なった. 農村地域のエコシステムサービスを計画要素として将来シナリオに組み込み, 広域的な農村地域整備方針を作成するための枠組みと方法を構築し, そのうえで関東流域圏を対象としたケーススタディを通して将来的な施策検討への展開とその有効性について考察した.