2008 年 36 巻 p. 97-105
本研究では, 工場から多量に発生する排熱を利用する手段としてオフライン熱供給システムに着目し, 京浜臨海部周辺地域における熱供給事業の導入効果を明らかにするモデルを構築した. まず, GISを用いて工場排熱量, 熱エネルギー需要量の分布を空間的に算出するプロセスを構築し, データベースを作成した. その上で, オフライン熱供給とオンライン熱供給の異なる特徴に着目し, 導入効果の違いを明らかにした. 京浜臨海部をケーススタディの対象として評価した結果, オフライン熱供給システムを導入することで, オンライン導入よりCO2排出量が12%削減されることが分かった.