抄録
3つの実下水処理場から採集した活性汚泥中のPHA合成機能遺伝子 (phaC) について、C1226f-CPrプライマーセットを用いたクローニング法により解析を行った。得られたクローンは既知のPHA合成酵素と43-100%相同性を示し、活性汚泥で一般的に観察されるAlcaligenes sp.やPesudomonas putidaなどのphaCが検出された。A処理場 (嫌気無酸素好気法) とM処理場 (嫌気好気法) 試料いずれも約8割をRhodospirillum rubrum PHA合成酵素に約50%類似するクローンのみから成るグループ (Y2) が占有していたが、N処理場 (標準法) 試料では1割程度だった。このようにクローンライブラリーを作成することによって、各処理場のphaC分布に特徴があることがわかった。