抄録
ポリデオキシリボヌクレオチドプローブとtwo-pass tyramide signal amplification-fluorescence in situhybridization (two-pass TSA-FISH) 法を用いてメタン生成古細菌Methanococcus vannieliiのmethyl coenzyme Mreductase遺伝子の検出を試みた. プローブはPCR法を用いて合成し, PCR反応液中のハプテン標識ヌクレオチド, Mg2+濃度を最適化する事で, プローブにより多くのハプテンを標識することが可能となった. 合成したプローブを用いてtwo-pass TSA-FISH法を適用したところ, M.vannieliiからシグナルを得ることができた. このシグナルはDNase処理, プローブの洗浄条件を強めることで消失したため, 標的遺伝子に交雑したプローブ由来であることが示唆された. しかし, プローブとの相同性が60%以下のMethanoulles bourgensis, Escherichia coliに対し本手法を適用したところ, 一部菌体からシグナルが得られた.