2006 年 43 巻 p. 187-194
本研究では, オゾン濃度約1 (mg/L) の混合空気を接触槽での平均オゾン注入率が6.7 (mgO3/gSS) の条件で注入させたオゾン添加活性汚泥法での廃水連続処理特性と微生物・微小動物相への影響について調査した. オゾン添加による, 生物多様性や脱水素酵素活性の変化は無く, 微小動物相への影響は観察されなかった. オゾン添加系においてもStentor polymorphusやAeolosoma hemprichi等の有機物除去が高い時に出現する微生物の優占化が目察され, 低負荷のオゾン添加時においても処理状態は安定することがわかった. またこの程度のオゾン添加により, フェノールなど生物活性阻害のある物質が分解され, 微生物活性の阻害発現が抑制されることもわかった. これらの結果よりオゾン添加活性汚泥法は, 生物活性阻害物質の突発的な流入に対しても阻害を受けずに処理を行いうる安定した廃水処理システムとなりうることを明らかにした.