2006 年 43 巻 p. 195-203
実下水処理場の活性汚泥を用いたバッチ試験を異なる電子受容体存在下で実施し, 活性汚泥による酢酸摂取へPHA蓄積細菌が寄与した割合を評価した. その際にNile blue Aで検出される細菌をPHA蓄積細菌とみなし, 存在割合をNile blue AとDAPIの二重染色法により定量評価した. 酢酸摂取にNile blue A陽性細菌が寄与した割合は2~10割であり, 好気条件で培養した活性汚泥でNile blue A陽性細菌は全菌の1~2割を占めた. さらにFISH法によりCandidatus “Accumulibacter phosphatis”とCandidatus “Competibacter phosphatis”の存在割合を定量評価し, これらの細菌がNile blue A陽性細菌の中で1~9割を占めることを明らかにした.