環境工学研究論文集
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固定層活性炭カラムによるNOMと17ßエストラジオールの除去特性の検討
李 富生田中 秀典片峯 由裕湯浅 晶
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2006 年 43 巻 p. 83-93

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抄録

粒径が異なる2種類の粒状活性炭 (GAC) を2種類の厚さに充填したカラム (GAC-1-GAC-4) と, 同様のGACカラムに河床微生物を予め植種させた生物活性炭カラム (BAC-1-BAC-4) に, 低濃度のNOMを含有する河川水を連続的に流入させた通水実験と, この河川水に17ßエストラジオール (E2) と高濃度の天然有機物 (NOM) を含有する泥炭地水を短時間で単独または同時に添加した通水実験を行い, 流出水中と固定層深さ方向でのNOMとE2の濃度変化, NOMの分子量分布, E2から生成したE1の挙動などを通じて, 固定層活性炭によるNOMとE2の除去特性を検討してきた. NOMは分子量の広範囲に渡って吸着されること, 波長260nmにおける吸光度 (UV260) で示されない成分の一部は植種した生物により分解されること, E2はNOMより高い除去率で吸着 (GACカラム) または, 吸着と生分解の両機構 (BACカラム) により水中から取り除かれること, などの重要な知見を得た.

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