環境工学研究論文集
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活性汚泥中微生物群集構造解析のための超音波破砕と希釈による新規DNA抽出手法の開発
佐藤 弘泰小貫 元治味埜 俊
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2008 年 45 巻 p. 225-232

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抄録

活性汚泥中の微生物群集解析を行なうにあたり、DNAの抽出・精製のためにコストや時間を費やしている。ここでは簡便なDNA抽出法として、超音波破砕を行なうことを検討した。活性汚泥試料を超音波破砕と千倍-一万倍程度の希釈を行なうことで、精製を行なわずともPCR (Polymerase Chain Reaction) 法にかけることが可能であることがわかった。また、同一活性汚泥試料を用いて本手法およびビーズビーティング法を用いた市販の抽出キットで抽出・精製したDNAに対して16SrRNA遺伝子の部分塩基配列を対象としてT-RFLP解析を行い、T-RFLPのパターンを比較した。両者は多少の違いはあるものの、本法でも多くのピークを得ることができ、目的によっては適用可能であると思われた。非常に簡便な手法であり、今後、さらに検討を加えることで、手法として確立していくことが望まれる。

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