2008 年 45 巻 p. 371-377
水道水源である利根川中流域の支川を中心とした7地点を対象とし, 河川水中のクリプトスポリジウムとジアルジアの汚染実態の解明を試みた。河川水10Lを検査した結果, クリプトスポリジウムは91%(21/23), ジアルジアは78%(18/23) の試料から検出され, 最大濃度はそれぞれ790個/10Lと37個/10Lであった。単離したクリプトスポリジウムの遺伝子型は, Cryptosporidium suisが48試料 (8株) と最も多く, C.andersoniが5試料 (4株), C.pig genotype IIが2試料 (2株) およびC.meleagridisが1試料 (1株) となり, 単離試料の88%(49/56) がヒトへの感染例が報告されている遺伝子型 (C.suis, C.meleagridis) であった。