環境工学研究論文集
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土地利用と河川の大腸菌ファージ濃度の関係
岐阜市における事例
笹島 康宏吉村 千洋李 富生
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2008 年 45 巻 p. 379-387

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抄録

河川の病原ウイルス濃度が土地利用や河川水質とどのような関係にあるかを解明するために, 岐阜市およびその周辺の都市河川の20地点でF特異RNAファージおよび菌体表面吸着ファージ濃度を2007年-2008年の冬季に調査した, その結果, 大腸菌ファージ濃度は農地で最も高く, 次いで都市, 森林の順であった. ただし, 下水処理水が流入する区間の濃度は都市部より低かった. その結果, 中核都市では下水道が整備されている中心部で病原ウイルス濃度が抑えられているが, その周辺の農地と住宅が混在するような地区では濃度が高い可能性が示唆され, 水環境における病原微生物の管理に対して面源汚染としての評価の必要性が示された.

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