日本古生物学會報告・紀事
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108. 尼瀬油田附近産の第三紀有孔蟲化石に就て
大炊御門 經輝
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1940 年 1940 巻 18 号 p. 43-50

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抄録

尼瀬油田は新潟縣三島郡出雲崎町に在り, 出油區域には寺泊層が露出してゐる。尼瀬油田の附近には比較的狭い區域に越後の油田を構成する第三系の大部分が獲達し, 特に中越統上部の灰爪層には貝殼の破片を多量に混ぜた砂層, 所謂夏川層がよく發達し, 廣く追跡される。
灰爪層の有孔蟲化石に關しては嘗て矢部長克教授及び半澤正四郎博士の研究があり, 出雲崎町の北東約3kmの久田から多數の有孔蟲化石が報告されてゐる。然し其の後此の地方の有孔蟲化石は久しく省みられす, 有孔蟲化石群を取扱つた報告は矢部・半澤兩博士の研究以來絶へてゐた。筆者は尼瀬油由・西山油田附近に露出する第三紀層, 主として灰爪層から多數の有孔蟲化石を採集したが, 今囘は尼瀬油田附近のものを簡單に報告する次第である。

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