1966 年 1966 巻 63 号 p. 294-302_1
テキサス州の白亜系産化石を古くROMER (1852)が記載したが, その原標本はボンの大学に保管されている。その中でAmmonites flaccidicostaとして記されていた2標本(シンタイプス)を再検討した結果, 異なる2種を代表するものであることが判明した。1はNowakites flaccidicostusであって, この論文でレクトタイプを指定して再記載する。他はPseudojacobitesの新種であって, ホロタイプの図を掲げて正確に記述する。2標本はチョーク質の基質をもつが, 岩質の詳細が異なる。2種の産出層序上の正確な位置が将来の問題として残る。なおこの際Nowakites・Pseudojacobitesの両属についても整理し, 特性や他との関連について記した。