抄録
プラスチック歯車を鋼歯車と組み合わせ,動力伝達用歯車として使用する場合には,意外と大きな騒音が発生することが知られている.この原因の一つとして,プラスチック歯のたわみが大きいことに起因して幾何学的に正しいかみ合いがなされていないことが挙げられる.しかし,その一方でプラスチック歯車の静粛性が高いのは歯がたわみやすく,かみ合い時に生じる衝撃·振動を吸収できるためであると考えられている.本報では,相手歯車も歯がたわみやすいプラスチック歯車とした場合のかみ合い状態および振動·騒音の発生状態を相手歯車を鋼歯車とした場合と比較し,動力伝達用プラスチック歯車の低騒音化を実現する手法について検討した内容を述べる.