抄録
プラスチック射出成形では、DVD等に代表されるような表面の微細パターンを転写する超精密な成形品の実現が求められている。導光板においては、テーパ肉厚の薄肉成形品の片面には光散乱を目的とした微細な突起が、またフロント面には精密なプリズムパターンが転写されているなど(フロントライトユニットの例)、こうした高精度の転写成形が行われている。こうした技術を支える技術には、超精密な金型技術とともに高転写成形技術がある。著者らは、超高速射出成形により、50μmのプリズムパターンの転写成形を実施し、射出速度、金型温度、保圧レベルを変化させた場合の転写状況の変化を系統的に明らかにした。その結果、スクリュ射出速度1000mm/sの範囲での実験により、超高速射出成形により98%以上の転写率を達成できることを実証的に明らかにした。その概要を報告する。