抄録
現在,鋼板圧延用補強ロールの製造において,キー溝のエンドミル加工における加工能率向上が重要課題となっている.そこで現状鋼種(JIS SKD6相当)をベースにCr,Mo量等を変えた4鋼種について,エンドミル加工実験を実施し工具損傷について詳細に調べた.切削実験の結果,現状鋼種では切削抵抗が大きく,また工具との凝着が激しいため欠損しやすいことが分かった.また,切削条件を適正化することで,ロール材としての性能を低減させない範囲でCrおよびMo量を低減した鋼種では,加工能率を従来の1.5倍にすることが可能であることを見出した.