抄録
シリンダライナのファインボーリング加工精度を低下させる主な要因は,シリンダライナの熱膨張や切削力による弾性変形であると考えられる.本研究では,シリンダライナを用いて有限要素解析と実加工実験(V=900m/min,F=0.2mm/rev,D=0.3mm)を行い,仕上げ切削では加工精度における熱膨張が切削力による弾性変形よりもはるかに大きな影響を及ぼすことが分かった.さらに,実際のシリンダブロックと同様の3Dモデルで有限要素解析を行い,シリンダブロックにおいても,熱と切削力が加工精度へ及ぼす影響は同様な傾向を示すことを明らかにした.