抄録
5軸制御マシニングセンタによる加工では,工具あるいは工作物姿勢は2つの軸を傾斜させることによって制御し,これにより切削速度の大きな外周部の切れ刃を使った加工を行なうことが可能である.本報告では,種々の工具姿勢で平面を溝加工した場合の工具-工作物間の接触領域,切れ刃に沿う切削厚さや切削断面積などの幾何学量が解析され,工具傾斜角によるそれら幾何学量の変化が検討されている.種々の工具姿勢での切削抵抗3分力が,既報の切削模型とエネルギー解法を用いて予測され,そして回転角による切削抵抗の変化が小さく,工具のたわみによる過切削が生じない工具傾斜角が見出されている.