抄録
既報の研究では、薄板溶接モデルをビードオンプレートとし、溶接板の間のギャップ(隙間)のない理想状態で計算してきた。しかし、突合せ溶接など実際の溶接では2枚の材料の間にギャップが必ず存在する。従って、ギャップのある状態での溶融や変形の計算方法を確立する必要がある。本研究では、現実的な突き合わせ溶接の場合における溶融形状や変形に及ぼすギャップの影響が検討された。ギャップを有する突き合せ溶接では、レーザ光の焦点位置と材料との相関位置関係、材料に関わるレーザエネルギーの割合などが重要な問題となる。それを基に、突き合せ溶接におけるギャップの異なる場合の板の変形を明らかにした。