抄録
茨城大学では,金型の工程設計作業の完全自動化を目的に,GPUによる逆オフセット法と加工シミュレーションを組み合わせた,高速な加工結果の推定システムの開発を進めている.本システムのコア技術は全て公開されており,国内企業や研究機関であれば誰でも利用できる.フラットエンドミル等を用いて閉じたポケット形状を加工する際には,工具を斜め方向から接近させ少しずつ金型を彫り込む必要がある.そのためポケット形状に十分な余裕がないと工具が接近できず,形状を生成することができない.本研究では,この加工条件を逆オフセット形状に基づいて判定し,加工困難形状を識別する機能を実現したので報告する.ソフトウェアを開発し,われわれの工程設計支援システムに組み込むことでその有効性を評価した.