抄録
琉球列島徳之島の三京集落に長径450mm,短径350mmの表面に線刻された転石が祀られている.線刻画は,太平洋の水平線から少しずつ昇ってくる太陽を時系列で描いていると推測される.徳之島の戸森には岩板に舟をはじめ多くの絵が線刻されており,町教育委員会が,描かれた年代や歴史的意味の調査の一環として,線刻方法や工具の調査を行っている.本報では,三京線刻画に焦点を当て,和釘や石材で複製した小刀,タガネ,石斧等を用いて線刻実証実験を行って線刻工具と線刻方法について推定した.今後,実証実験結果を戸森の調査に活用する.