アトム窒化を適用した鋼の鏡面切削

抄録

アトム窒化は、表面に化合物層が生成されないため、表面粗度を劣化することなく鋼に対して1000HV前後の高硬度被膜を生成できる窒化処理である。本研究では、このアトム窒化を適用することにより、鋼材に対して通常は避けられないダイヤモンド工具の激しい摩耗を抑制し、高品質の鏡面切削を実現し得ることを見出した。本報では、従来のガス軟窒化とアトム窒化したSUS420J2のダイヤモンド工具による旋削加工を行い、表面粗さや工具摩耗を比較した結果について報告する。