理学療法 - 臨床・研究・教育
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研究と報告
足趾接地の有無が立位最前傾位での足圧中心位置に及ぼす影響
抜井 周子田口 孝行原 和彦
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キーワード: 足趾, 立位, 足圧中心位置
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2016 年 23 巻 1 号 p. 21-24

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抄録
[目的]本研究は,足趾接地の有無が立位最前傾位での足圧中心位置に及ぼす影響について,若年者と高齢者で明らかにすることを目的とした。[方法]対象は,若年女性12名(平均20.7歳),高齢女性10名(平均72.3歳)とした。測定は,4条件で測定可能な自作の足台(①全趾荷重,②母趾のみ荷重,③第2~5趾のみ荷重,④全趾免荷)上にて,立位最前傾位を保持し,その際の足圧中心位置を算出した。統計解析には,二元配置分散分析と多重比較検定を用いた。[結果]足趾接地条件の主効果は有意であり,年齢(若年者・高齢者)の主効果は認められなかった。多重比較検定の結果,③第2~5趾のみ荷重および④全趾免荷の条件よりも,①全趾荷重および②母趾のみ荷重の条件の方が有意に足圧中心の前方への移動量が大きかった。[結論]若年者・高齢者ともに,足趾接地は立位最前傾位の足圧中心位置に影響し,第2~5趾よりも特に母趾の接地のない条件では,足圧中心をより前方に移動させることが困難であることが明らかとなった。
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© 2016 社団法人 埼玉県理学療法士会
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