2020 年 27 巻 1 号 p. 86-93
本稿はEditorialとして,本誌「理学療法−臨床・研究・教育」を例に,論文投稿から査読の流れおよび査読に対する返答までの流れについてまとめたものである。初めての論文投稿を検討されている方々へ,少しでも情報提供をと考えて筆をとった次第である。初めての論文投稿と聞くと,誰しもが高いハードルに感じ二の足を踏むことであろう。しかしながらまずは症例報告からであっても,自身の臨床思考過程を可能な限り科学的かつ客観的に文章にまとめ他人の批評を受けることは,自身の臨床における思考過程が整理され,明日のより良い臨床実践につながる。そればかりか,そのような積み重ねが理学療法の科学性,Evidenceの確立に確実に寄与しうる。そしてその延長線上に臨床研究の実践と,論文執筆が待っている。本項を通し,少しでも多くの理学療法士が論文投稿を身近に感じ,本誌への投稿がなお一層増えることを期待してやまない。