抄録
運動麻痺を呈した脳卒中患者に対し,立脚期前半に着目した電気刺激療法と短下肢装具の併用療法により発症3か月以降も運動学的変化および歩行能力改善を示した症例を報告する。左視床出血を発症後,右片麻痺を呈した50歳代男性である。第71病日から12週間,短下肢装具と電気刺激療法を併用した歩行練習を20分間実施した。機能的電気刺激は中殿筋・大腿四頭筋,経皮的電気刺激は前脛骨筋を対象に行った。Fugl-Meyer Assessmentの下肢項目,足関節底屈筋のModified Ashworth Scale,Berg Balance Scale,快適歩行速度,6分間歩行距離を評価。第99病日以降,慣性センサーを用いた歩容分析を行った。結果として,Berg Balance Scale,快適歩行速度,6分間歩行距離で改善を認め,歩行中の運動学的データも全ての指標で改善を示した。結論として,短下肢装具と電気刺激療法の併用は発症3ヶ月以降の脳卒中患者においても歩容および歩行能力を向上に寄与する可能性が示唆された。