理学療法かごしま
Online ISSN : 2436-8458
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選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 松浦 央憲, 荒木 草太, 下村 郷, 縄瀬 浩太, 宝満 厚太, 東條 竜二, 中村 俊博
    2025 年4 巻 p. 9-15
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/28
    ジャーナル オープンアクセス
    運動麻痺を呈した脳卒中患者に対し,立脚期前半に着目した電気刺激療法と短下肢装具の併用療法により発症3か月以降も運動学的変化および歩行能力改善を示した症例を報告する。左視床出血を発症後,右片麻痺を呈した50歳代男性である。第71病日から12週間,短下肢装具と電気刺激療法を併用した歩行練習を20分間実施した。機能的電気刺激は中殿筋・大腿四頭筋,経皮的電気刺激は前脛骨筋を対象に行った。Fugl-Meyer Assessmentの下肢項目,足関節底屈筋のModified Ashworth Scale,Berg Balance Scale,快適歩行速度,6分間歩行距離を評価。第99病日以降,慣性センサーを用いた歩容分析を行った。結果として,Berg Balance Scale,快適歩行速度,6分間歩行距離で改善を認め,歩行中の運動学的データも全ての指標で改善を示した。結論として,短下肢装具と電気刺激療法の併用は発症3ヶ月以降の脳卒中患者においても歩容および歩行能力を向上に寄与する可能性が示唆された。
  • 海陸 優貴, 野平 光輝, 東畑 耕平, 福山 拓明, 平川 智士, 大迫 尚仁, 小牧 むつみ, 萩元 由美
    2025 年4 巻 p. 16-22
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/02/10
    ジャーナル オープンアクセス
    回復期リハビリテーション病棟では,心身機能の変化に応じた活動を高める取り組みが重要であり,そのためには適切な歩行自立度の判断が必要である。当院では歩行自立度の判断が担当理学療法士に委ねられており,統一された基準を定めていないのが現状であった。本稿では,当院の特徴的な病棟構造も踏まえたうえで,歩行自立度を判断するための評価バッテリーを構築するために2つの検証を実施した。検証1では入院患者50名を対象に,歩行自立に関連する病棟内での生活動作10項目をχ2検定にて抽出した。ロジスティック回帰分析で解析した結果,抽出された項目は年齢や歩行速度などを考慮しても,歩行自立度の判定に有用であることが示された(オッズ比2.024,P < 0.001)。抽出された項目で作成した評価バッテリーをReceiver Operating Characteristic 分析にて解析した結果,カットオフ値は8.00(感度89.5%,特異度93.5%)となった。検証2では,入院患者30名を対象に評価バッテリーの検者間信頼性を検証し,κ = 0.733(P < 0.001)と高い信頼性を有することを示した。これらの検証結果をもとに“病棟内歩行自立度評価”を作成し,10 m歩行やFBSを組み合わせた歩行自立度認定シートとして,運用を開始するに至った。今後も医師・病棟看護師と協力し,チームとして多角的な視点で歩行自立度を判断することで医療の質の向上に努めたい。
  • 伊香 孝則, 白土 大成, 赤井田 将真, 三宅 悠斗, 立石 麻奈, 倉津 諒大, 牧迫 飛雄馬
    2025 年4 巻 p. 23-30
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/03/10
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,健常な若年成人において,コントロール条件,実運動条件,バーチャルリアリティ(以下,VR)運動条件の3条件を実施し,条件前後での実行機能課題中における脳血流変化および実行機能課題成績の変化を比較検討することを目的とした。14名(平均年齢22.4 ± 1.7歳)を対象に,各条件の実施前後でタブレット端末を用いたストループ課題と近赤外線分光法による前頭前野の脳血流変化を測定した。各条件の実施前後におけるストループ課題の完遂時間は,コントロール条件(p =0.005),実運動条件(p = 0.031),VR運動条件(p = 0.022)のすべての条件で有意に短縮したが,有意な脳血流の変化は認めなかった。学習効果がみられた4名を除外した追加解析では,有意な脳血流の変化は認めなかったが,VR運動条件のみストループ課題の完遂時間が有意に短縮した(p = 0.022)。実運動条件,VR運動条件に おいて各条件前後での実行機能課題中の脳血流変化は認められなかったが,一過性のVR運動が実行機能の改善に有益である可能性が示唆された。
  • 米徳 一博, 廣川 琢也, 竹下 康文, 宮﨑 宣丞, 下世 大治, 赤﨑 義彦, 加治 智和, 廣畑 俊和, 竹中 俊宏
    2025 年4 巻 p. 31-38
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/04/23
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,鹿児島県内の回復期リハビリテーション病棟を有する医療機関を対象にアンケート調査を実施し,脳卒中患者に対する下肢装具のフォローアップ体制の現状と課題を明らかにすることを目的とした。県内の回復期リハビリテーション病棟を有する 33 の医療機関へアンケートを依頼し,28 医療機関から回答を得た(回収率84.8%)。結果として,下肢装具を作製した患者の全員をフォローアップしているのは17.9%(5医療機関),半数以上をフォローアップしている医療機関は35.7%(10医療機関)であり,県内の回復期リハビリテーション病棟を有する医療機関の過半数が一定のフォローアップを実施していた。しかし,多くの医療機関でフォローアップに関する何らかの困難が報告されており,再作製時の情報共有の不備や施設間連携の課題が挙げられた。また,備品装具の充実や義肢装具士の訪問が重要視される一方で,連携シートの活用には消極的な傾向が見られた。
  • 松岡 輝樹, 松崎 凌真, 中西 和毅, 榊間 春利
    2025 年4 巻 p. 1-8
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/25
    ジャーナル オープンアクセス
    運動器疾患を有した地域在住高齢者の在宅での身体活動量を評価することは,疾患の進行に伴う身体機能低下を予防するために重要である。本研究の目的は歩行能力の評価指標であるTimed up and go test(以下,TUG)を用いて,運動器疾患を有した地域在住高齢者の日中の身体活動量や身体活動パターンの特徴を把握することができるか調べることである。対象は運動器疾患を有して外来リハビリテーションに通院する65歳以上の地域在住高齢者73名(男性16名,女性57名,平均年齢81.2歳)とした。対象者のTUGの平均値(12.9 秒)を基準に13秒未満を歩行能力良好群(46名),13秒以上を歩行能力不良群(2名)に分類した。身体活動量の計測にはオムロン活動量計を用い,1週間当たりの身体活動量(歩数,歩行活動量,生活活動量)を計測した。全ての身体活動量は,歩行能力良好群と比較して不良群で有意に減少していた。また,両群ともに生活活動量と比較して歩行活動量が有意に低下していた。良好群の日中の身体活動パターンは,午前と午後にピークを迎える二峰性の変化を示した。しかし,不良群の歩行活動パターンは明らかな二峰性がみられず,1日を通して低下していた。重回帰分析の結果,TUGに影響する因子として日中の歩数と生活活動量が抽出された。本研究はTUGを用いて,運動器疾患を有した地域在住高齢者の在宅での身体活動量や身体活動パターンの特徴を推察できる可能性を示唆した。
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