関東甲信越ブロック理学療法士学会
Online ISSN : 2187-123X
Print ISSN : 0916-9946
ISSN-L : 0916-9946
第33回関東甲信越ブロック理学療法士学会
セッションID: O-097
会議情報

口述発表(一般・症例報告)
姿勢と胸郭・肋骨部の位置を捉えた評価について前額面状において画像解析を用いた一考察
*柳 宗齋藤 元
著者情報
キーワード: 姿勢, 胸郭, 形態変化
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】 胸郭は、呼吸器疾患を有する者の病理学的変化から起こる 呼吸器としての視点や身体運動をより分節的に表出させる運 動器としての役割を相互に果たすと考える。そこで、姿勢に おける前額面の胸郭形態を評価し関係性について考察する。 【方法】 対象は脊柱に著明な変形を有さない健常成人男性38名(年 齢23.4±2.2歳、身長171.4±3.0cm、体重64.4±4.6kg)。測定 体位は正面を向き上肢は自然下垂位前腕橈骨縁を前方に向け た背臥位、45°ファーラー位、座位とした。部位は、体幹よ り垂直な仮想線を中心に胸骨頸切痕と胸骨剣状突起を結び胸 骨傾斜側を計測。上部肋骨は、第2肋軟骨外側端中央部の右 側を基準に仮想の平行線から左側への高低差を計測。下部肋 骨は、肋骨弓下端の右側を基準に仮想の平行線から左側への 高低差を計測。肋骨下角を剣状突起と第10肋骨を結び胸骨傾 斜角より求めた垂線とのなす角とし左右比較した。撮影は胸 部矢状径の高位に設定し1分間安静呼吸後に行った。数値算 出はImageJを用い、統計処理は各項目における左右差を比 較するため対応のあるt検定を実施。また、各姿勢3条件間の 胸郭形態を比較するため一元配置分散分析と多重比較を用い 相関分析を行った。なお有意水準は5%未満とした。 【説明と同意】 対象者には本研究の説明と同意を得た。 【結果】 各項目の左右差に有意差を認めた。(p<0.05)各姿勢と胸 郭位置、形態には有意差を認めなかった。(p<0.05)アライ メントの傾向は、胸骨右傾斜。上部肋骨は右肋軟骨外側端中 央部は低位、左高位。下部肋骨は右肋骨弓下端は高位、左低 位。肋骨下角は左側角度が優位に大きかった。 【考察】 各設定条件下の胸郭形態に変化は少なく、個々の形状にお いて項目毎に角度や高さは量的に異なるが特定の位置関係を 有する非対称性が示唆された。呼吸様式や姿勢制御の因子を 考慮し胸郭・肋骨部の位置取りを捉えたアライメント評価は 治療を行う上で一視点となると考える。
著者関連情報
© 2014 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
前の記事 次の記事
feedback
Top