関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第36回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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P-164 骨密度外来患者の身体機能評価の検討
平田 誠
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p. 264

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抄録

【はじめに】

当院では、平成28 年4 月より骨密度外来を開始し、骨密度減少が確認された患者には定期的な検査を行っている。併せて、筋力低下による転倒予防のため筋力・バランス評価や運動指導を実施したので、その経過について報告する。尚、本研究は当院の倫理委員会の承認を得ている。

【方法】

対象は、当院の骨密度外来に受診した女性16 名。骨密度測定装置はDEXA 法用いた。計測部位は腰椎で行い、若年比率

80% 未満を骨密度が低下していると判断した。平均年齢は63.3( ± 11.09) 歳。理学療法評価は、平地とAIREX Mat 上での片脚立位時間、手指握力、膝伸展筋力、足趾把持力の5 項目を行った。手指握力はジェーマ型握力計、膝伸展筋力はMobie(ともに酒井医療株式会社)、足趾把持力は足指筋力測定器2T.K.K.3665(竹井機器工業株式会社)を使用した。それぞれの平均値について、若年比率80% 未満の骨密度低下群と80% 以上の正常群で対応のないT 検定を実施した。

【結果】

骨密度低下と判断された者は9 名であった。片脚立位時間、握力、下肢筋力の平均について、いずれの値も両群に優位な差は認められなかった(有意水準5%)。

【考察】

今回、骨粗鬆症と診断された者の身体機能についての検証をおこなった。その結果、バランスおよび筋力について正常群と有意な差は認められなかった。これは、今回の対象の平均年齢が63.3 歳と比較的若く、現在も仕事や運動をしている者が多く、加齢や廃用によるによる筋力低下が生じていなかったためだと考えられる。しかし、今後は、年齢が上がるとともに筋力の低下を生じることも予想され、それに伴う転倒、骨折のリスクも生じる可能性がある。運動と骨密度は密接に関係をしていることから、対象者には運動指導をおこないながら継続的な評価をおこなうことが重要であると考える。また、有意差が生じ始める年齢についての検証をおこないたいと考える。

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© 2017 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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