関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第40回関東甲信越ブロック理学療法士学会
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スペシャルポスター
SPP-4 当院入院中の血液透析患者における透析日と非透析日の身体機能の関係について
小幡 加奈片倉 哲也三木 啓嗣
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p. 9-

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抄録

【目的】透析日の血液透析患者の訴えとして力が入りにくい事や疲労感があるといった内容があり,実際の動作場面においても観察上そのように感じられる.先行研究において血液透析患者の透析日と非透析日の身体機能について調査したのは単一症例報告において認めるのみである。今回,当院入院中の透析患者に対して透析日と非透析日における身体機能の関係を検討することとした.

【方法】本研究は前向き観察研究とした.対象は2019 年10 月から2020 年4 月末までの期間当院に入院しリハビリテーション処方を受けた血液透析患者のうち,整形疾患等を有しておらず歩行可能な者 5 名とした.調査項目は患者の年齢,透析日と非透析日に連続でSPPB,握力,平均血圧,倦怠感としてBorg Scale を測定した.統計処理はSPSSVer.24.0 を使用し,透析日と非透析日の差をウィルコクソンの符号順位検定を用いて算出し,有意水準は5%とし,10%を有意傾向とした.なお本研究は,東京都済生会中央病院倫理審査委員会の承認を得た上で実施した. 【結果】対象者の年齢中央値 66.0(IQR59.5-80.5),透析日SPPB 9.0 点(3.0-11.5),非透析日SPPB 9.0 点(3.0-

10.0),透析日握力 16.0kg(12.7-19.5),非透析日握力17.5kg(14.2-20.0),透析日平均血圧 85.0mmHg(66.0-

99.0),非透析日平均血圧 96.0mmHg(79.0-114.0),透析日倦怠感 13(10.0-13.0),非透析日倦怠感 12.0(8.0-

12.0)だった.平均血圧のみ有意差を認め、握力と倦怠感には有意傾向がみられた.

【考察】透析日と非透析日の身体機能に有意な変化はみられなかったが握力と倦怠感において有意傾向がみられたため,症例数を増やすことで透析日と非透析日の身体機能の差が明らかになると思われる.

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© 2021 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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