関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第43回関東甲信越ブロック理学療法士学会 ・ 第30回千葉県理学療法学術大会 合同大会
セッションID: P9-2-6
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一般演題
AHA BLSインストラクター活動を通じて得たもの
*福家 晶子山中 玄谷地 直樹松本 大夢原島 哲人鈴木 雄大杉木 和陽吉田 優悟高橋 航輝川端 龍哉
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抄録
【はじめに,目的】 2015年より当院ではAmerican Heart Association(以下,AHA) Basic Life Support(以下,BLS)インストラクターを育成しており, 院内での蘇生教育の一環を担う活動を行っている.AHAは『AHA 心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドラインGuidelines for Cardiopulmonary Resuscitation(以下,CPR)and Emergency Cardiovascular Careを公開しており,これは,米国や世界中の 医療従事者,会社,および病院で使用されている救命プロトコー ルの基礎になっている.AHA BLSインストラクターは,AHAの公 認BLSトレーニングカリキュラムのすべてを指導し,プロバイダー カード(コース修了証)を発行できるAHA公認資格である.当院では 100名のリハスタッフに対し21名のAHA BLSインストラクターが居 り,日々臨床業務にあたっている.BLSインストラクターとなること が,日々の業務にどう生かすことができているのか調査をしたため, 報告する. 【方法】 対象者:BLSインストラクター 21名(理学療法士20名,作業療 法士1名) 方法:無記名アンケート方法 【説明と同意】 対象者にこの研究目的や内容の説明を行い,全てにおいて同意を 得ている. 【結果】 アンケート内容としては,AHA BLSインストラクターになって良 かったと思う事について記述式でアンケート実施.臨床場面,急 変場面,教育・指導場面,スキルアップ,その他を答えてもらう形 式とした. 臨床場面では,全員から予後予測に役に立っているとの回答があ り,リスク管理にも自信がついたとの意見が多くみられた.急変 場面では,率先してCPRに参加出来る点や,急変場面での自分の 役割が冷静に判断出来るようになった等の意見が多かった.教育・ 指導場面では,患者や後輩,学生指導時にどう声掛けをすればよ いかが身についたという意見が多く,スキルアップにおいてもCPR 技術が身につく以外に指導方法が身につく事やリスク管理に役に 立っているという意見が多くみられた. 【考察】 アンケート結果から,BLSインストラクターを通じて急変場面のみ ならず,臨床場面や教育・指導場面においても有用な技術・知識 への自信が身につく可能性がある事が示唆された.今回のアンケー トはAHA BLSインストラクターのみ聴取したため,今後はインス トラクターを取得していないスタッフからの意見も集め比較する事 で,プロバイダーとして活動する事による効能について検討を重ね ていきたい.
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© 2024 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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