関東甲信越ブロック理学療法士学会
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第43回関東甲信越ブロック理学療法士学会 ・ 第30回千葉県理学療法学術大会 合同大会
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シンポジウムⅡ 若手理学療法士のワークライフバランスと向上心の芽生え―ジェネラリストとしての意義を考える―
新生涯制度と当院で展開する卒後教育との融合
*深江 航也
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p. 76-

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抄録
 当院は120床の回復期リハビリテーション病棟を有し,64名の理学療法士が在籍している.毎 年多くの新入職員を採用しているが,能力にばらつきが見られ,スタッフに合わせた指導が求めら れている.この課題に対応するため,当院では独自の教育システムを導入し,個々の成長スピード に合わせた指導を行っている.  当院の教育システムの特徴は,患者レベル分け,チェックリスト,症例報告の3つである.患者 は重症度に応じてレベルⅠからⅢに分類され,まずリスクの少ないレベルⅠの患者から経験を積むよ うにしている.チェックリストは,見学から自立までの段階を設け,OJTを実施しながら埋めていく 形式であり,各レベルで一定の経験を積んだ後には,症例報告を行っている.  セラピストの到達目標は,日本理学療法士協会から出されているものを参考に設定しており,1 年目はレベルⅠの患者を自立して担当し,2年目はレベルⅡ,3年目以降はレベルⅢを担当できるこ ととしている.その後は自身の専門分野に関する学習を行い,外部に出る機会を増やすようにサポー トをしている.また,当院の新人教育プログラム修了者には後輩指導を実施してもらい,5年目以 降からの臨床実習指導につなげている.  課題としては,臨床業務を行いながら多くの若手職員を指導することになる為,指導者側の負担 が多くなっている.解決策として職場内に新生涯学習制度を採り入れ,協会の教育システムと上手 く融合することが必要と考えている.  当院の教育システムは理学療法士協会の卒前教育や卒後教育の変化や,スタッフの状況に応じ て適宜見直しを行ってきた.引き続き,トライアンドエラーを繰り返しながら,職員のワークライ フバランスを確保しつつ,質の高い理学療法を提供できるように,様々なスタッフに対応できるよう な教育システムの構築を目指していく.
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© 2024 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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