2024 年 1 巻 1 号 p. 2-10
【目的】本研究では,ストレスのセルフケアを目的としたチャットボットシステムの開発とその効果を検証することとした.また,本システムの機能はテキストの感情分析,ラインチャート法による分析,雑談の3点とした.
【方法】感情分類器の開発には,学習データとしてツイートを使用し,モデルとしてk-Nearest Neighbor methodとSupport Vector Classification(以下,SVM)を使用した.これをチャットボットシステムへ実装した.ラインチャート法と雑談機能はbotpressを使用し開発を行った.また,このシステムを用いて,参加者15名を対象とした臨床試験を行った.
【結果】感情分類器はSVMを使用し,精度がArea Under the Curve 0.973,Accuracy 0.933であった.また,臨床試験の結果は唾液アミラーゼ活性値が22.3±4.4kU/Lから18.9±4.2kU/Lと有意に低下した.(p<0.05)【結語】本研究の結果より,開発されたシステムを使用することで,ストレスレベルが低下し,一定のリラクゼーション効果があることが示唆された.