[はじめに]人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコルで再挿管の「超高リスク群」に該当する患者へ理学療法を実施した.挿管人工呼吸器管理中より離床を進め,再挿管なく抜管と呼吸器離脱,ADL改善に至ったため症例報告する.[症例紹介]深頸部膿瘍へ切開術が施行されICUへ入室した70歳代の男性であった.[経過]当院のICUのプロトコルに沿って離床を進め,VAPをはじめとする二次的合併症予防や肺機能維持向上に努めた.入院23日目に抜管し,呼吸器を離脱した.再挿管や呼吸器の再使用なく一般病棟へ退出し,その後ADLが改善した.[結論]再挿管の「超高リスク群」の患者への理学療法が有用な可能性が示唆された.