2024 年 2 巻 1 号 p. 36-42
【目的】 脊椎椎体骨折患者における回復期リハ病棟早期退院の可否に,入院時のサルコペニア疑いが関連するかを明らかにすることである。
【方法】 研究デザインは横断研究。急性期病院から回復期リハ病棟にリハビリ継続目的に入院した65歳以上の患者とした。回復期在院日数の中央値未満以上で群間比較を行った。アウトカムはAWGS2019に準じたサルコペニア疑いの有無であった。
【結果】 対象は445名。早期退院可能群212名,不可能群233名。女性のロジスティック回帰分析の結果,早期退院可能群と比較して,不可能群はサルコペニア疑いが有意に関連していた(オッズ比:1.75,95%信頼区間:1.01-3.05,p<0.05)。
【結論】 高齢女性の脊椎椎体骨折患者における回復期早期退院の可否には,入院時サルコペニア疑いの関連が示唆された。入院早期より,多職種連携によって,患者の栄養状態改善および患者個々に応じた運動療法の再考が必要と考える。