Phenomena in Nursing
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最新号
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  • 本田 順子, 谷口 麻希, 塩見 美抄, 竹村 和子, 築田 誠
    2023 年 7 巻 1 号 p. G1-G8
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】 本研究の目的は,糖尿病予防に関する国内外の既存の文献からポピュレーションアプローチの事例を分析し,ポピュレーションアプローチの目的,方法,結果について明らかにすることである。 【方法】  文献データベースとして,医中誌Web,PubMed,CINAHLを用い,キーワードとして「ポピュレーションアプローチ」「糖尿病」を設定し,会議録を除いて検索を実施した。文献から抽出された事例を,マトリックス方式を用いて,ポピュレーションアプローチの「目的」「戦略・介入方法」「評価指標」「結果」を列トピックスとし,文献内容を分析した。 【結果】  検索された44文献のうち,分析対象となったのは7文献となり,分析事例は6件であった。国内・国外ともに多くの事例は行政機関が主体で,住民を対象に実施されていた。ポピュレーションアプローチの方法は,地域のシステム作りから具体的な住民への介入プログラム実施まで含まれていた。介入内容は,広報誌や冊子での糖尿病に関する知識の普及,糖尿病教室や健康イベントの開催などが多く含まれていた。評価方法は,住民への意識調査,行動変容ステージ,生活習慣の変化など質問紙で評価する方法と健康診査の受診状況,検査値など数値で評価する方法などが併用されており,住民の行動変容,生活習慣の改善,体重,空腹時血糖,HbA1c値など数値での改善効果が明らかとなっていた。 【結論】 糖尿病予防に関連した国内外のポピュレーションアプローチの事例を分析した結果,地域を巻き込む形で効果の継続が期待できるようなアプローチでは,住民の行動変容,生活習慣,体重,空腹時血糖,HbA1c値などで改善効果が認められた。しかし,抽出された先行事例は少なく,詳細な介入方法や評価方法,効果を分析するための情報は十分とは言えなかった。  今後は,ICTの活用やビッグデータに基づいたポピュレーションアプローチの有効性の検討が求められる。
  • 森 菊子, 西池 絵衣子, 片岡 千明, 川田 美和, 濵上 亜希子, 澤村 早苗, 野口 三華, 今若 真里佳, 渡辺 梨絵, 森岡 久美 ...
    2023 年 7 巻 1 号 p. P1-P11
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】 自分の強みに気付き,健康な生活習慣を継続するための自分なりの方法をみつけることを目標とした特定保健指導プログラムを作成し,評価を行った。また,A市における特定保健指導対象者の特徴を明らかにした。 【方法】  対象者は,全5回からなる特定保健指導新プログラムに参加した住民である。プログラム開始時および終了時に無記名式アンケート調査を実施した。アンケート内容は,基礎情報,生活習慣,SCAQ(Self-Care Agency Questionnaire),プログラムに関する自由記載であった。分析はWilcoxonの符号付き順位検定により実施した。所属大学の研究倫理委員会の承認を得て実施した。 【結果】  特定保健指導プログラムの対象者329名中,参加者は92名であった。プログラム開始時のアンケート総回答者数は56名で,回収率は60.8%であった。食生活については,「改善するつもりである(概ね6ヶ月以内)」が49.1%と最も多かった。運動習慣についても,「改善するつもりである(概ね6ヶ月以内)」が31.5%と最も多かった。5回すべてに参加したものは14名で,欠損値を除いた11名において,SCAQに有意な改善は認められなかった。食習慣,運動習慣ともに「既に改善に取り組んでいる(6ヶ月未満)」が2名から4名に増えた。変化した理由としては,「今までは自分に甘く改善しようと思わなかったが,なにより意識が変わり,真剣に自分の体のことを考えるようになった」などがあった。また,食習慣,運動習慣ともに「改善することに関心がない」と回答した1名が「改善するつもりである(概ね6ヶ月以内)」に変化した。 【結論】  食習慣,運動習慣の改善意思については増加傾向がみられたが,分析データ数が少なく,効果を示すことはできなかった。
  • 築田 誠, 谷口 麻希, 竹村 和子, 本田 順子, 森本 雅和, 塩見 美抄
    2023 年 7 巻 1 号 p. R1-R9
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】 2型糖尿病の発症や重症化に関連する住民の行動や心理学的特性を明らかにするとともに,住民の食生活行動を分類し,効果的なポピュレーションアプローチの方策を検討することである。 【方法】  X市主催の集団健康診査の受診者を対象に, 無記名自記式質問紙調査を行い,食生活行動パターンと食を通じた交流パターン,心理学的特性,よく利用する商店や飲食店,関心事・嗜好・住民の行動変容に対する考え方,健康情報の入手先,健診結果の活かし方,糖尿病の既往,基本属性について測定した。食に関する行動や心理学的特性の分布を概観し,K-Means 法を用いた非階層クラスタ分析により対象住民を食行動のパターンで分類した。また,クラスタの特徴を検討するために,食生活行動の回答を数値化した平均値と比率を用いて,統計的に比較検討した。 【結果】  研究対象者は2,302名(回答率43.9%)であった。天井効果や項目間相関が高くない,ポピュレーションアプローチとして実現可能性が高いと考えられる8項目を用いて,非階層クラスタ分析を行った。その結果,『お酒をよく飲む』,『炭水化物だけの食事』,『お酒はあまり飲まず,炭水化物だけの食事も少ない』の3クラスタに分けられた。また,『お酒をよく飲む』と答えた人は男性に多く,「血糖値が高いといわれたことがある」と答えた人も多かった。 【結論】  地域住民の食事パターンは,アルコールと炭水化物の摂取パターンによって3つのグループに分けられた。ポピュレーションベースのアプローチでは,このようなパターンに基づいて対象者をセグメンテーションすることが有効であると考えられる。
  • 中出 麻紀子, 森本 雅和, 新居 学, 中西 永子, 笹嶋 宗彦, 小野 博史, 河野 孝典, 谷田 恵子, 坂下 玲子
    2023 年 7 巻 1 号 p. R10-R19
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】 本研究では,2型糖尿病が強く疑われる人とそうでない人の生活習慣の比較を行うことを目的とした。 【方法】  A市において2008年度から2019年度までに国民健康保険の健康診査を受診した30歳以上の男女のうち,解析項目に欠損がある人,既に生活習慣改善に取り組んでいる人を除く10,401名を解析対象とした。糖尿病が強く疑われる人を「HbA1c(NGSP値)が6.5%以上かつ/または血糖値を下げる薬の服薬ありの人」と定義し,χ2検定を用いて糖尿病の疑いの有無の2群間で生活習慣の比較を行った。その後,糖尿病が強く疑われる/それ以外を従属変数,各生活習慣項目を独立変数,性別と年齢で調整した二項ロジスティック回帰分析を行った。解析は65歳未満と以上で行った。 【結果】  二項ロジスティック回帰分析の結果,65歳未満の対象者においては,日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していない人,他の人と比較して食べる速度が速い人,就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある人は,そうでない人と比較して糖尿病が強く疑われる人のオッズ比がそれぞれ1.69倍(95%信頼区間:1.22-2.32),1.31倍(1.01-1.72),1.52倍(1.12-2.07)であった。一方,お酒を時々あるいは毎日飲み,かつ1日当たり1~2合飲む人では,ほとんど飲まない・飲まない人と比較して糖尿病が強く疑われる人のオッズ比が0.65倍(0.46-0.92)であった。65歳以上の対象者では,日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していない人,ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速くない人,他の人と比較して食べる速度が速い人は,そうでない人と比較して糖尿病が強く疑われる人のオッズ比がそれぞれ1.41倍(1.18-1.70),1.21倍(1.01-1.45),1.29倍(1.09-1.53)であった。 【結論】  本研究より,糖尿病予防のためには65歳未満,65歳以上の人に共通して身体活動を行うこと,早食いをしないことが重要であり,加えて65歳未満の人では就寝前2時間以内の夕食摂取に注意すべきことが示唆された。
  • 渡邊 里香, 撫養 真紀子, 中西 永子, 芳賀 邦子, 小野 博史, 粟村 健司, 真鍋 雅史, 新居 学, 河野 孝典, 坂下 玲子
    2023 年 7 巻 1 号 p. R20-R29
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/24
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】 看護小規模多機能型居宅介護(以下,看多機)は,訪問看護・介護,通所,宿泊サービスを臨機応変に組み合わせ,医療ニーズにも対応するという多様な機能をもつため,既存の看護提供施設とは異なる能力が求められると考えられる。看多機でのより質の高い看護を展開できるような行動指標の開発を目指し,本研究では,研究者らが先行研究にて明らかにした看多機看護師のコンピテンシーについて,定量的な内容妥当性の検討を行うことを目的とした。 【方法】 2020年9月時点の全看多機で勤務している看護師に対し,自記式質問紙調査を実施した。質問内容は看多機看護師のコンピテンシー(8カテゴリー,48サブカテゴリー)についての重要性であり,記述統計を行った。 【結果】 国内全看多機の看護師498人へ調査票を配布し217人から回答を得,回収率は36.5%であった。48サブカテゴリーのうち,ほぼすべての項目において9割以上の人が「とても重要」「重要」と回答し4点満点中,平均値3.4点以上でったため,重要であるという評価であった。特に,【その人や家族の強みを引き出し生活に取り入れる】【個々に合わせ臨機応変にケアを創造する】【命をまもる】【最期まで「生きる」を支える】【その人を地域で支えるチームをつくる】は,複数の項目において,平均値3.8点以上と高い点数であった。 【結論】 先行研究で抽出し専門家により精錬された8カテゴリー,48サブカテゴリーからなる看多機看護師のコンピテンシーについて定量的な内容妥当性が確認された。療養者を取り巻く家族や地域のあり方が多様化する中で,最期まで住み慣れた場所で暮らしていくためには,看護師が中核となり療養生活を支える役割があることが確認された。
  • 坂下 玲子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S1
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 荻野 待子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S10
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • こどもセルフケア看護理論を用いて振り返る
    丸田 梨矢子, 国 典子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S11
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原田 奈穂子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S12
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 国分 映希, 本田 順子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S13
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 田村 康子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S14
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 山下 裕紀
    2023 年 7 巻 1 号 p. S15
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 渡邊 里香
    2023 年 7 巻 1 号 p. S16
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 状況特定理論構築に向けた重症心身障害児と支援者との関係性に着目して
    原 朱美, 片田 範子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S17
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 池原 弘展, 横山 浩誉
    2023 年 7 巻 1 号 p. S2
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 初めての実習に対する防衛機制の強い学生への関わりに焦点をあてて
    原 裕子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S3
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 衝動コントロールと養育に焦点をあてて
    小澤 亜希絵
    2023 年 7 巻 1 号 p. S4
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 整髪体験を語った事例から
    井上 ひろみ
    2023 年 7 巻 1 号 p. S5
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 国分 映希, 本田 順子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S6
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 精神科の長期入院患者に焦点をあてて
    巽 真希子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S7
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 西池 絵衣子
    2023 年 7 巻 1 号 p. S8
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
  • 子どもと家族の力に焦点をあてて
    細田 三奈
    2023 年 7 巻 1 号 p. S9
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
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