抄録
【目的】
A市における‘強み’に着目した特定保健指導プログラムの評価を行い,効果的なプログラムを検討する。
【方法】
研究者らが作成した,‘強み’に着目した特定保健指導プログラムを実施し,評価を行った。プログラムは集団を対象とした全5回である。全体のねらいとして,(1)自分の身体への関心を高める,(2)他者との話し合いを通して自分を振り返る機会にする,(3)自分の身体をいたわる方法をみつける,(4)自分なりの目標を見つける,(5)自分の強みに目を向ける,(6)健康づくりの仲間を見つける,を定めた。また,各回のプログラム目標を設定した。無記名式アンケート調査を実施し,ねらいと目標の達成度について評価を行った。
【結果】
対象者は,194名(男性103名,女性91名)であった。分析の結果,プログラムのねらいならびに各回の目標は概ね達成できた。しかし,ねらいの(6)健康づくりの仲間を見つける,については十分達成できなかった。また,第1回目のプログラムにおける健診結果の理解度について,男性よりも女性の方が目標達成度が高かった。さらに,第2回目の食事に関するテーマのプログラムにおいても,男性より女性の方が,身体への関心が高まったという結果が得られた。全参加群と部分参加群の比較においては,年代,性別,参加区分に有意差はなく,両群の目標達成度においても有意な関連を認めなかった。
【結論】
プログラム参加者は,自分の望む生活や強みに目を向けることや自分をいたわる視点を導入したことで,安心して自分の身体に向き合うことができたと考えられた。仲間づくりについては,地域への愛着を刺激するような組み立てにすることや,すでに存在するネットワークやICTの活用等により,つながりを実感できる仕組みづくりが必要であると考えた。