鎔接協会誌
Online ISSN : 1883-7190
ISSN-L : 1883-7190
熔着鋼の線状破面に就て
一番ヶ瀬 清山野井 正一
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1941 年 11 巻 8 号 p. 268-276

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抄録
一般に熔着鋼の破面に於て線状組織と稱せられてゐるものは其の性質上線状破面と謂ふべきであつて,之は熔着鋼が完全に固化してよりA3變態點(?)に至るまでの龜裂所謂高温龜裂部の破面である.高温龜裂が空氣中に裂開してをれば著しく着色したる線状破面を現はし,然らざれば殆ど着色せられすして金屬光澤を有する線状破面を示す.線状破面部は次層のビードの熔込に依て其の一部又は全部を消失する.Si,Ti,Ni,Cr,Mn及Al等の特殊成分が熔着鋼中増加すれば高温龜裂を生じ易くなり從つて線状破面を生することが多くなる.熔接電流が過大なる場合にはビードが比較的に薄くなり,共の結果線状破面を生じ易くなる.壷が潔くなるやうな蓮棒法又は熔接棒を用ふれば線状破面の出方も多い.
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© 一般社団法人 溶接学会
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