1943 年 13 巻 5 号 p. 153-156
先づ壓延の儘の同一デューコール鋼板より,種々の厚さ及び幅の板を採取した.次に之を半自動電弧熔着試驗裝置の臺上に置き極軟鋼心線に被覆せる熔接棒を用ひ,夫々の板の中央に一定條件の下で,シングル・ビードを置いた.次いで一定の條件で常温迄冷却した後,ビードに垂直方向に板を5等分し切断した.その各断面に就いて,變質の程度を硬度測定及び顯微鏡試験によつて調べ,又マクロ腐蝕して,變質及び熔込の深さを測つた.その結果デューコール鋼の變質程度は板幅の影響を受けることは少いか,板厚によつて著しく影響せられること,又板厚が増すにつれ熔込の減少することが明かとなつた.