抄録
回帰分析における説明変数として量的変数と質的変数が混在しているとき,質的変数をダミー変数と呼ばれる量的変数に置き換えることによって,量的変数のみの回帰分析の枠組みの中で解析を行うことができる.ダミー変数は1つの質的変数に対して1セットで意味を持つものであるこら,それらはセットとして扱わなければいけない.説明変数間の関連性を表す尺度としてトレランスがある.多くのプログラムでは質的変数に対してこの統計量が出力されることはなく,また出力されたとしても一つ一つのダミー変数に対してのみである.本論文では,質的変数に対するトレランスとして3種のトレランスを定義し,簡単な数値例を用いて,それらの妥当性を比較検討する.また,質的変数を含んだ回帰分析,特に数量化理論I類において,各サンプルのテコ比と各変数のトレランスを検討することの重要性について述べる.