抄録
アメリカを中心として消費者関連の問題に関しての法理的な側面から発展してきた製品責任と,日本のTQC活動の中で重要な役割を果たし,機能別管理の一つとして発達してきた品質保証の関係について,理論的および実証的な視点より研究する.具体的には,CCHのアメリカにおける製品責任事例レポート,日本の通産省の消費者生活用製品の事故収集制度による事例など公開されているデータを用いて解析を行い,顧客の使用の場で発生している問題を品質保証の立場から体系的明らかにする.その結果として,製品安全のため品質保証の中で解決すべき4つの重要課題,(1)血管および危険な状態の明確化,(2)信頼性・安全技術の明確化,(3)製品評価技術の体系化,(4)警告・説明書などや補償義務の見直しを導き,今後の品質保証のあり方を明確にする。