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Print ISSN : 0386-8230
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リハビリテーションにおける訓練計画設計モデル
-回復期におけるADL向上を目的としたリハビリテーション-
加藤 省吾石塚 渉進藤 晃水流 聡子飯塚 悦功
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ジャーナル 認証あり

2012 年 42 巻 4 号 p. 553-566

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抄録

日本では,社会の高齢化による病気や怪我のリスク増大に伴い,リハビリテーションの重要性が高まっている.一方, 2006年4月に実施された診療報酬制度の改訂により,医療保険が適用されるリハビリの期間が発症から最大180日に制限された.リハビリに対するニーズの高まり,保険制度面からの時間的制約により,リハビリの効果的・効率的な提供が求められている.リハビリは,医師が処方を出した後で,療法士が設計する訓練計画に基づいて行われる.しかしながら,療法士が訓練計画を設計する科学的な方法論は確立しておらず,訓練計画の設計は療法士個人に依存しているのが現状である.本研究では,療法士が訓練計画を設計する思考プロセスを可視化・構造化し,リハビリ訓練設計のための方法論を確立することを目的とする.回復期の患者に対して病院で行われる,日常生活の基盤であるADL (Activity of Daily Living)向上を目的とするリハビリテーションを対象として,リハビリ訓練設計過程の論理モデル,実装モデルを提案する.また,仮想患者に対して療法士が訓練計画を設計するワークショップにおいて,提案モデルの妥当性を確認する.

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© 2012 一般社団法人 日本品質管理学会
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