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タグチのT法における項目選択に関する研究
河田 紘志永田 靖
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2015 年 45 巻 2 号 p. 179-193

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抄録

タグチのT法は,田口玄一博士により提案されたMTシステムの1つの手法であり,予測を目的としている.T法の項目選択のステップでは,他のMTシステムと同様に直交表を用いることが提案されてきた.しかし,事例研究は数多く発表されているものの,その原理や理論的な性質については十分な検討・研究がなされていない.本稿では,まず,T法における直交表を用いた項目選択について,その特徴を体系的に検討する.そして,導かれた弱点を克服するための方法として,直交表を用いずに,変数増減法による項目選択方法を導入する.次に,これらの方法による項目選択の特徴を複数のモデルに基づいてシミュレーションにより比較検討する.その際,項目間の先行関係・相関関係を重視するためにパス図に基づいてモデル化し,それらに従うデータを発生させ,シミュレーションにより検討する.その結果,T法での直交表を用いた項目選択では,特定項目の過大評価は避けられないことが判明した.一方,変数増減法を用いることで,項目の過大評価を避け,多くのモデルにおいて予測精度を向上できることがわかった.

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© 2015 一般社団法人 日本品質管理学会
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