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スチューデント化された範囲を用いるTukeyの多重比較の方法の呼称について
松本 哲夫佐藤 稔康和田 武夫
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2017 年 47 巻 1 号 p. 93-96

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抄録
 現在,Tukey の多重比較の方法は,WSD とも HSD とも呼ばれている.本報では,成書や学術論文,および,インターネット公開情報等の文献を調査し,WSD と HSD を巡る混乱の状況を明らかにすることを試みた.
 調査の結果,1960 年以前の初期の文献には「Tukey の方法」のように書いてあるものが多いが,1960 ~ 1980 年の文献には WSD と書いてあるものが多く,1980 年以降の文献にはHSD としているものが多いということが窺えた.
 さらに,初期には,WSD,HSD,Tukey 法が同じであり,Tukeya 法であるとされていた.その後,HSD が Tukeya 法,WSD が Tukeyb 法とされはじめた.Tukeyb 法を始めに提案したのは Tukey 自身とする文献もあるが,誰が,いつ,WSD と HSD を使い分けようとしたのかについてまでは詳らかにできなかった.後世の人が種々の文献をそのまま引用することで,混乱しているだけかもしれない.
 経緯はどうであれ,両者は区別されるべきではなく,もともとは WSD と称されていたと思われる.できれば呼称も WSD に統一するのが好ましいと結論する.
 本論文で WSD と HSD を巡る状況を整理したことにより,実務家が Tukey の多重比較法を利用しようとするに際し,生じ得る無用の困惑を避けることができれば幸いである.
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© 2017 一般社団法人 日本品質管理学会
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