抄録
2016年,国内のメーカによる自動車燃費データ不正問題が発覚し,業界再編に至る大事件となった.不正行為は許されるものではないが,筆者は不正を許してしまうような燃費計測のしくみ自体にも問題があると考えている.消費者としては実際に走ってどうかの問題であるのに,その立場から乖離している.実燃費がカタログ燃費を大幅に下回る実態は,言われて久しく,燃費基準が変わっても十分解消されないままである.適正なノイズ因子を取り入れた実走実験を行う意義がある.
そこで今回,品質工学を活用して行われた自動車燃費に関する過去の研究を参考に,複数の車種を取り上げて燃費の比較実験を行った.単に車種間比較をするだけでなく,カタログ値の達成度合いなども評価した.