RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
原著
伊豆弧の火山から噴出した流紋岩中の230Th/238U放射能強度比
高橋 賢臣栗原 雄一佐藤 純
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2009 年 58 巻 3 号 p. 93-100

詳細
抄録

神津島,新島及び東伊豆単成火山群から噴出した流紋岩中の230Th/238U放射能強度比を観測したところ,伊豆弧の玄武岩質噴出物は230Th/238U<1の放射非平衡であるのに対して流紋岩の大部分は230Th/238U=1の放射平衡に収束していた。このことは,マグマ発生時に玄武岩では沈み込むプレートからの流体の関与が大きく,流紋岩ではそれが小さいことに起因していると推定された。また,(230Th/232Th)-(238U/232Th)放射能強度比の玄武岩と流紋岩が異なる一群を示すことから,伊豆弧の流紋岩は,伊豆弧の玄武岩と起源的な関連性は薄いと推定された。

著者関連情報
© 2009 by Japan Radioisotope Association
前の記事 次の記事
feedback
Top