抄録
中性子を用いたイメージングは透過画像を得る一つの重要な方法である。これまでは原子炉のような定常中性子源を用いて行われてきた。しかし,最近,間欠的に中性子を発生するパルス中性子源によるイメージングによって,中性子波長依存の透過率を解析し,結晶組織構造,元素,温度,水素束縛状態,磁場など,これまでは取得ができなかった,あるいは困難であった情報を実空間で与えることができるようになった。ここでは,この新手法のベースとなる,パルス中性子源の特徴とパルス中性子を用いたイメージングの原理について述べる。