RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
オートラジオグラフのための組織学的固定基準―35S-硫酸塩で処理した肝組織からの放射活性の離脱―
山田 正和吉川 清山田 正典
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 14 巻 4 号 p. 319-323

詳細
抄録

オートラジオグラムを作成する場合, つねに組織固定液による組織からの放射性物質の溶出を防ぐ方法を考慮しなければならない。今回は35S-硫酸塩を用いて, 組織標本と固定液との放射活性の組織からの離脱の関係を検討しようとした。通常固定液として用いられている薬品を試み, 各時間固定後, 固定液に溶出した35S放射活性度を測定してつぎの結果を得た。非水溶液としてのエタノールがもっともよく離脱を防ぐことができた。またアセトンもよい結果をうる。単純固定剤として, 10%ホルマリンがもっとも35Sの離脱が多くよい固定剤でなかった。混合固定剤として, エタノール・アセトンがよい。混合剤の場合でも, 塩化バリウム, 塩化カルシウムを加えた場合, 離脱をさらに防ぐことができた。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
前の記事 次の記事
feedback
Top