RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
放射性鉄による鉄ニッケルおよび鉄コバルト合金中における自己拡散の測定とオートラジオグラフ観察
岡田 健
著者情報
ジャーナル フリー

1966 年 15 巻 4 号 p. 169-180

詳細
抄録

放射性鉄59Feが放射するγ線による残存強度法を用いて, 多結晶Fe-NiおよびFe-Co合金中Feの自己体拡散を750から1, 200℃の間で求めた。この間, α-γ変態, 磁気変態, 規則一不規則変態が含まれ, そこで拡散係数はArreniusの関係からはずれて異常変化をする。αからγに変態することによって, 体拡散係数は急減するがその程度はNi, Coという合金成分濃度の増加とともに少なくなる。Arreniusの関係式から求めたγ相における拡散の活性化エネルギーは合金成分濃度とともに変化し, Fe側から急減し, ゆるやかな極小を経てFe-50%CoおよびFe-75%Ni付近で極大を示している。体拡散測定後オートラジオグラフをとり, 顕微鏡組織との比較から粒界拡散, 表面拡散の様子が判明した。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
前の記事 次の記事
feedback
Top