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113mIn (OH) 3コロイドによる肝シンチグラム
岩崎 尚弥柴田 茂葛西 洋一水戸 迪郎
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1971 年 20 巻 11 号 p. 582-587

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抄録

われわれは診断に有用な肝シンチグラムを得るために使用核種の選択を検討し, スキャナーおよびスキャン技術の改良につとめてきた。今回, 113mIn (OH) 3-コロイドによる肝シンチグラム約100例について検討したので, その結果を報告する。
113mIn (OH) 3-コロイドは70~90%肝臓に分布し, 脾臓, 骨髄にも一部分布した。113mInの半減期は1.73時間と短いので, 大量投与が可能となり, その結果スキャン時間も短縮され, しかも明瞭なシンチグラム像が得られた。
113mIn (OH) 399mTc2S7-コロイドならびに198Au-コロイドの検出能を比較したが, 99mTc-コロイドは表在性space occupying lesion (SOL) , 198Au-コロイドは深在性SOLの検出に適し, 113mIn-コロイドは表在性および深在性のSOLともに前2者の中間を示し, 双方の核種の長所を備えていることを示唆していた。
113mIn-コロイドは容易に肝シンチグラムが得られ, これは99mTc-コロイドの場合と同じであった。104例の臨床例について行なったが, 発熱, ヒスタミン様症状はみられなかった。

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