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クロムの3He照射によるキャリヤーフリーの52Mnの生成について
秋葉 文正
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1972 年 21 巻 12 号 p. 699-705

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抄録

52Mnをつくるため理研サイクロトロンでクロムを3He, α粒子で照射し, 52, 54, 56Mnなどの励起曲線と収率を求め, 化学分離法も検討した。照射ずみターゲットの塩酸分解溶液より, 陰イオン交換分離し, ついで蒸留により, キャリヤーフリーに52Mnをえたが54Mnを0.7%くらい含む。これをさけるにはいったん分離した52Feを35時間放置後, 陰イオン交換分離するとよい。1mCi52Feより1μCi52Mnをえた。3He照射では52Mnは主として52Cr (3He, p2n) 反応ででき核反応断面積の極大は33MeVで220mbに達し, 40MeVで156μCi/μAhになり実用量が得られた。
クロムの3He粒子照射はa, p, d粒子照射のいずれに比ベても52Mnの収率が高く, 54Mnの生成量が少ない点ですぐれており, またキャリヤーフリー分離ができた。

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